2010年7月9日
● 便秘 Constipation
数日以上排便が無く、便が固く、排便に困難を来たすのが便秘。
便秘には、弛緩性(しかんせい)のものと痙攣性(けいれんせい)のものとある。
大腸では、小腸で吸収しきれなかった食品成分を腸内細菌が代謝し、悪臭物質や発がん物質を作る。 便秘がちの人は、体調不良になりやすく、種々のがんの発生率も高くなる。 便秘の予防は長寿につながるが、便秘を促進するのが食物繊維。 便の滞留時間を短縮して発がん物質の生成発生を抑え、発がん物質や脂肪を吸着して体内への吸収を抑制し、がんだけでなく、高脂血症を予防する。 水分を十分に摂ることも必要。いも類のように、ガスを発生する食品は大腸を刺激し、排便を促進する。
香辛料、適量のアルコール、炭酸飲料、冷たいジュースなどの刺激は弛緩性の便秘では排便が促進されるが、痙攣性の下痢では逆効果である。
食物繊維の多いスローフードに切り替えると、大腸内でビフィズス菌、乳酸菌などの善玉菌が増加する。 それによって、発がん物質などを生産する悪玉菌の増殖が抑えられる。腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)を善玉菌中心にすることが長生きの秘訣である。
【弛緩性】
大腸の筋肉がゆるんで、便を出すはたらきが弱っている場合。
体質、神経障害、低栄養、全身衰弱、ビタミン欠乏、腸の感受性低下、食事量の不足による刺激不足など
が原因で、やせた女性に多い。
【痙攣性】
大腸が過敏になり、一部が強く収縮し、便の通過を妨げるもので、ストレス、不安、悩みが原因になる。
関連事項:多糖類