● ビタミン Vitamin

ヒトの健康維持に必要な微量成分。ヒトの体内では合成されないか、合成量が不十分なため、食品から摂取すべきもの。 油に溶ける脂溶性ビタミンと、水に溶ける水溶性ビタミンがあり、脂溶性ビタミンは蓄積性があるので摂りすぎに注意する。
【主な脂溶性ビタミン】
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK
【主な水溶性ビタミン】
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸

● 多糖類

糖質の構造単位が単糖類
単糖類が2~10個結合したものが少糖類、10個以上結合したものが多糖類。
自然界では、大部分の糖質は多糖類として存在し、ヒトの消化酵素で分解できるものはエネルギー源になる。
非消化性の多糖類は食物繊維と呼ばれる。食物繊維には、制がん、脂質代謝調節、糖代謝調節、免疫機能調節など、さまざまな機能が報告。

● ミネラル Mineral

人体に必要とされ、毎日の食事から摂る必要のあるミネラルを必須ミネラルといい現在29種類が指定。
【ミネラルの分類】
   <主要ミネラル>
      カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム
   <微量ミネラルⅠ群>
      鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレンモリブデン、コバルト、クロム
   <微量ミネラルⅡ群>
      フッ素、ケイ素、ルビジウム、臭素、鉛、アルミニウム、カドミウム、ホウ素、バナジウム、砒素
      ニッケル、錫、リチウム
※ 上記ミネラルのうち、所要量と許容上限摂取量が定められているもの
カルシウム、鉄、リン、マグネシウム、カリウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、クロム、モリブデン

● 酵素 Enzyme

生体内ではたらくタンパク質の媒体。さまざまな反応を体温付近で特異的に行うことができる。 ビタミンやミネラルが結合して酵素活性が発現する場合、これらの非タンパク質成分を補酵素という。 酵素はそのはたらきにより、加水分解酵素、酸化還元酵素、脱離酵素、転移酵素、異性化酵素、合成酵素の6つに分類されている。 酵素タンパク質は消化管で分解され、活性のある形で吸収される割合は非常に低いので、経口的に摂取した酵素が生体内で働くことはまれである。

● 抗酸化成分 Antioxidant

生体内で生じる活性酸素や脂質過酸化物がさまざまな疾病の原因になる。 抗酸化成分は、酸化物の生成を抑制するとともに生じた酸化物を無害の還元型に戻す働きを持つ。
n-3系列(α-リノレン酸、EPA、DHAなど)の不飽和脂肪酸は、健康の維持に重要な役割を果たすが、二重結合を多く含むので、酸化されやすいのが難点。 不飽和脂肪酸の生理活性を活用するには、抗酸化成分を併せて摂ることが重要。
しかし、抗酸化成分の過剰摂取も問題となる。 抗酸化成分が不飽和脂肪酸を還元するのは、自分自身が酸化されるからである。 抗酸化成分の酸化物は脂質過酸化物や活性酸素より生体毒性は低いが、大量に存在すると毒性物質としてはたらく。 生理活性の高い成分ほど、過剰摂取による生体毒性が出やすいので注意すること。

● 活性酸素 Active oxygen

他の物質を酸化する能力の強い活性化された酸素種の総称。
一重項酸素、スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカルなど。
生体成分を酸化してエネルギーを獲得する過程で生成し、白血球が免疫反応を行う過程でも生成する。 また、紫外線や放射線を浴びることでも生成する。 活性酸素が脂質、たんぱく質、核酸などを酸化すると、種々の疾病の原因となり、老化を促進することになる。 生体内の酸化反応や脂質の過酸化によって生じた活性酸素を消去するため、酵素による活性酸素消去系が存在する。 また、抗酸化成分の摂取により、活性酸素の速やかな除去を可能にすることが必要。

● 動脈硬化 Arteriosclerosis

動脈壁が肥厚して変性し、柔軟性を失い、機能が低下している状態。
動物性脂肪の摂りすぎ、高たんぱく食、塩分の摂りすぎ、喫煙、大量の飲酒などが関係するとされている。 動脈硬化の進展は、血液の流れを悪くし、血栓ができやすくなるので、脳梗塞や心筋梗塞につながる。 抗酸化成分の摂取を心がけ、酸化の起こりにくい体にすることが望まれる。 食品では、多価不飽和脂肪酸や食物繊維が血清コレステロールレベルを低下させる。 多価不飽和脂肪酸は酸化を受けやすいので、抗酸化成分と組み合わせて摂ることが必要。