● 機能性食品

体調調節機能を有する食品をさす。厚生労働省で認可を得たものが特定保健用食品として市販。 機能性食品に類似するものとして、さまざまな健康志向食品が市販。
これは、「いわゆる健康食品」は、通常の食品と同様に食品衛生法に基づいて規制されており、その体調調節機能を表示、宣伝することはできない。

● きのこ類 Mushroom

糸状菌類の仲間である担子菌や子襄菌が作る大きな子実体。 栄養のとり方により、腐生菌、菌根菌、寄生菌に分類。 キノコの成分は野菜類に類似している。ビタミンB群と、D群が多く、ビタミンCやカロテンは少ない。 食物繊維が多く、トレハロース、グルコース、マンニトールなどを含む。 キノコの特徴は、β-グルカンなどの機能性食物繊維を含むことである。 すでに3種のキノコ由来制がん剤が開発されており(クレスチン、レンチナン、シズフィラン)、がんの予防などを目的として種々の健康食品が市販。 また低分子の体調調節因子も含んでおり、健康食品に利用されている。 ミネラルの給源としても重要で、キノコのミネラル組成は、かなりの幅があるので、必要に応じて使い分ける。

● オリーブ Olive

モクセイ科 実を食用にし、オリーブ油を調理用に利用。 果実は強い苦味があり、生食できないが、塩漬け(ピクルス)にするとおいしい。 果実からオリーブ油を、核からオリーブ核油を調整。オリーブ油はオレイン酸が主体で、加熱しても酸化されにくい。 果肉から冷圧下で調整したバージンオイルは、抗酸化ビタミンなどの微量成分を含んでおり、酸化安定性だけでなく、栄養価も高い。 オリーブ油に、血圧、コレステロール低下効果が報告。 乳がん、大腸がん、関節炎のリスク低減効果も期待。葉のエキスに肝機能や、尿酸値を改善する効果が期待。 オリーブ油を食品として摂取する場合は安全。

● エイコサペンタエン酸 Eicosapentaenoic acid(EPA)

中性脂肪値低下作用、コレステロール低下作用、血圧低下、血小板凝集能の低下、血液粘度の低下、赤血球変形能の増加、癌(乳癌、大腸癌、前立腺癌)抑制作用、抗アレルギー作用などが報告。

● ドコサヘキサエン酸(DHA) Docosahexaenoic acid

魚油、魚肝油中に存在。脳、神経組織、精子に多い。 情報伝達や記憶の保持に関与すると考えられている。 動脈硬化、高脂血症、痴呆、アレルギーなどの予防、改善効果が報告。 がんの発生や転移の予防にも効果があると考えられている。

● コンドロイチン硫酸 Chondroitin sulfate

ムコ多糖類の一種で、動物の体内に広く存在し、軟骨、結合組織、粘液などに含まれる。 ヒトの体内で合成されるが、年をとると合成量が低下する。
不足すると皮膚の保湿性や潤滑性が失われ、老人性の皺やカサカサ肌を与える。
関節の保護などにはたらくので、欠乏すると関節や皮膚に障害が起こる。
動脈硬化、解毒、代謝異常、難聴、炎症などへの効果が期待。 医薬品としては、腎炎、ネフローゼ、リューマチ、神経痛、腰痛、五十肩、肩凝り、夜尿症、眼疾患、脱毛症などに利用されている。
サメや動物の軟骨から分離されたものが健康食品に利用。

● ヒアルロン酸 Hyaluronic acid

ムコ多糖類の一種で、皮膚、腱、筋肉、軟骨、脳、血管などに存在。
皮膚では肌の乾燥を防ぎ、間接では関節液に含まれ関節の動きを滑らかにする。
大量の水を保持する能力があり、肌をみずみずしくする。 皮膚、軟骨、腱に多いが、年齢とともに減少するので、補充する必要があるとされている。 関節炎の軽減を目的とした健康食品や美肌効果を目的とした化粧品が市販。

● コラーゲン Collagen

高等動物の全たんぱく質の約30%を占める。 皮膚組織の70%はコラーゲンで細胞や組織を結合させ、その機能の発現を支持している重要な生体成分。
新陳代謝を繰り返す生体内では、コラーゲンの生産が不可欠で、不足すると骨形成不全症や壊血病になる。 多過すぎると肝硬変、肝繊維症などになる。
コラーゲンの合成にビタミンCが必要で、ビタミンCの摂取が不足すると組織が脆弱化し、壊血病になる。 主として化粧品の保湿剤に利用し、経口投与により制がん作用が発現したとの報告もある。

● ファイトケミカル Phytochemical

植物に含まれる微量化学物質。色素、臭気成分など。抗酸化活性を持つものが多い。
カロテノイド、含硫化合物、ポリフェノールなど。

● カルシウム Calcium

体内で最も多いミネラルで99%は骨や歯に、残りの1%がカルシウムイオンとして体内で種々の調節機能を担い、細胞の情報伝達に重要な役割を果たす。
また、鎮静作用があり、就寝前のコップ1杯の牛乳は安眠を誘う。 カルシウム摂取が不足すると、骨のカルシウムが血中に動員され骨粗鬆症のリスクが高まる。 とくに閉経後の女性は女性ホルモンによる骨量維持機能が低下するので積極的に食品から摂取する必要がある。